文字を込めた思い

日本一短い手紙のコンクール「一筆啓上賞」の入賞者発表会が1月21日(火)、インターネットで中継されました。1月22日(水)のYahoo!ニュース(産経新聞配信)で、文字数は578字です。

一筆啓上とは、男性が手紙の書き出しに使う言葉で「簡単に申し上げます」という意味です。

「一筆啓上」から始まる最も短い秀逸な手紙が、日本最古の丸岡城(別名霞ヶ城)にある碑に刻まれています。

本多重次が陣中から妻に送った手紙が基本となっていて、文字数はわずか18字。

手紙の中に出てくる「お仙」は、後の丸岡城六代目城主、本多成重(幼名:仙千代)のことです。

それにちなんで福井県坂井市(旧丸岡町)では、平成5年より10年間、また平成15年からは「新一筆啓上賞」として手紙を募集しています。

条件は1?40文字の中にテーマ文言を入れた手紙形式であること。

主催は公益財団法人 丸岡文化財団と福井県坂井市で、今年第21回のテーマは「わすれない」でした。国内外から4万1237通の応募があったそうです。

ところで「一筆啓上賞」の文字数の条件は「1」からですが、それで手紙になるのかと不思議に思います。が、存在するのです。

ヴィクトル・ユーゴーが『レ・ミゼラブル』を出版した出版社に送った手紙はまさにその一文字、「?」だったのです。

宛先は編集長。?は、評判はどうですかという本の売れ行きを案じたもの。
これに対して編集長が返した手紙が「!」。

驚くほど好調な売れ行きだという内容を伝えたものでした。

「?」と「!」の一文字に込められた思いは、長文で綴ったものより、実感として捉えることができます。

最近はメールも絵文字のみで内容を表現することも多くなっているそうですが、1文字でこれほど端的に表すことができるでしょうか。

書類は今でも枚数が多ければ多いほど立派という風潮が残っています。

企画書などもビジュアルが重視され、表や写真やイラストが多用されるので枚数も多くなっています。

しかし、そうして作成された企画書を何度も何度も入念に読む返すことは、まずありません。

A4サイズ1枚で伝えられる企画書を作成するーーそこまで練り込まれた企画書であれば成功も間違いない…かも知れません。

大事なのは、何をどのようにどう伝えるかであり、短いほど、案外伝わりやすいものです。

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