歌の違い

5月27日、Yahoo! ニュースに『“Let’s it go”と「ありのまま」の違い』というタイトルで小野昌弘氏( イギリス在住の免疫学者・医師)の記事が掲載されています。文字数は、1948文字。

2013年公開のディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌『Let’s it go』(邦題『ありのままで』)は、子供たちから大人まで大人気で、この歌を聴かない日は無いくらいです。

記事の内容は、英語のLet’s it goと和訳の「ありのまま(で)」の違いについて。

読んでみると、文化の違いもあって、訳は本当に難しいものだと感じました。でも、1つの歌で、気分によって2通りを楽しむことができて、それはそれで楽しいことかもしれないとも思いました。

 

日本の有名な和歌集と、古今和歌集・新古今和歌集が、それぞれ「七五調」と「五七調」といわれるのをご存じですか?

万葉集は奈良時代に編集された、現存する日本最古の和歌集で、天皇や貴族から一般のさまざまな人の歌が、約4500首収められています。

古今和歌集(古今集)は、平安時代の、日本で最初の勅撰和歌集で、醍醐天皇の詔で紀貫之らが20巻、約1000首を編纂しました。

 

和歌の一種である短歌は、ともに5・7・5・7・7文字の、五句で詠まれており、そこに違いはないのですが、「区切れ」により、七五調、五七調と分類されています。

句切れとは、句の切れ目…つまり、意味やリズムの切れ目のことで、現代風に言うと、句読点が入る箇所です。

古今和歌集は5・7/5・7/…という二句目、四句目で切れて「5・7」という繰り返しになるものが多く、万葉集は5/7・5/…という一句目、三句目で切れて「7・5」になる歌が多いため、前者を「五七調」、後者を「七五調」と言います。

 

これだけでは、よくわかりませんね。

たとえば、七五調は、童謡・唱歌、軍歌、校歌、演歌などにも多く使われています。

童謡の「うみ」(作詞:林柳波・作曲:井上武士)の1番の歌詞を、わかりやすく平仮名で書くと、

「うみはひろいな おおきいな

つきがのぼるし ひがしずむ」

7文字・5文字の繰り返しになっています。

 

一般的に、「七五調」は優しく軽妙で、「五七調」は素朴で力強く、重厚感があるとされています。

それでは、二首の歌の、区切れを/で表してみます。

 

万葉集の持統天皇の歌です。一句目と三句目で切れます。

「春過ぎて/ 夏来にけらし 白妙(しろたへ)の/衣干すてふ 天の香具山」

意味は、春が過ぎました。夏が来て真っ白な衣が、香具山に干してありますね。

 

次は、新古今和歌集の式子内親王(しきしないしんのう・しょくしないしんのう)の歌です。

「玉の緒よ 絶えなば絶えね/ながらへば 忍ぶることの/弱りもぞする」

意味は、私の命が絶えるなら絶えてもかまわない。生きながらえていると気持ちが弱くなって、(独身でいなければならない私の)秘めた恋が知れ渡ってしまいそうだから。

いかがですか?

今まで、区切れを意識していませんでしたが、意識すると、さらに違う味わいが感じられるかもしれません。

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